農薬

海外展開に強みをもつ農薬専業メーカー 日本農薬

今回は日本最大の農薬専業メーカーである「日本農薬」について調べてみました。

日本農薬は、1928年に日本初の農薬専業メーカーとして創業した歴史を持ちます。

近年は、日本国内の少子高齢化等の状況を鑑み、海外展開に熱心で、米国、中国、ブラジ、インド、タイ、ベトナム、マレーシアなどを拠点に活動しています。

日本農薬がかかえる事業の課題としては、世界各国の農薬登録制度に対する要件の厳格化、ジェネリック農薬との価格競争、原材料費や委託製造費の高等、異常気象による農作物への影響などを受ける点が挙げられます。

メーカとしては原材料費の高騰がかなり痛いと思います。

また親会社は、ADEKA(元 旭電化工業)で、こちらは農薬以外お化学品事業を展開しています。

前回調査した農薬部門を持つ住友化学よりもかなり内容が異なり、新しい発見もありました。

注)日本農薬の有価証券報告書によると、毎年の会計期間は、10月1日スタート、翌年9月30日〆となっています。

賃借対照表 BS: Balance Sheet

BSとは?

右側に「資産」

左側に「負債」と「純資産」

を並べたシートのこと。

左右それぞれの合計値が必ず同じになるのが特徴。

日本農薬のBS

損益計算書 PL: Profit and Loss Statement

PLとは?

一定期間(3ヶ月間、1年間等)のお金の損益をまとめたもの。

着目すべき5つの利益

1.売上総利益(粗利)

売上総利益(粗利)=売上高-売上原価

2.営業利益

営業利益=売上総利益-人件費など

3.経常利益

経常利益=営業利益+営業外損益(株など)

4.税引前当期利益

税引前当期利益=経常利益-特別損益(事業の売却など)

5.当期利益

当期利益=税引前当期利益-法人税など

日本農薬のPL

FY2015で売上高が前年度比で約60億円低下していることが確認できます。

同社第117期の有価証券報告書によると、この原因は、海外農薬事業において、園芸用殺虫剤「フェニックス」という製品があるのですが、これを納入する技術導出先への販売がなくなったことやノウハウ技術料の減少などが関係しているとのこと。

経常利益以降のグラフを下に拡大しました。

当期純利益でも前述の「フェニックス」の納入がなくなったことなどが尾を引いているためか、なかなか当期純利益が持ち上がりにくい状況にあるのかもしれません。

総資本経常利益率(利回り)

総資本経常利益率(利回り)とは?

総資本経常利益率は、会社の利益効率を知る最も基本的な指標のひとつです。

自己資本と他人資本を足し合わせた総資本をベースに、会社がどの程度の利益を出したかを計算したのが、総資本経常利益率。

つまり、会社の利回りと言い換えてもいいでしょう。

利回りのいい会社のほうが、銀行にも投資家にも従業員にとってもプラスになります。

経営者はこの総資本経常利益率を上げることが重要な仕事です。

計算式

利回り(%)=経常利益÷総資本(自己資本+他人資本)×100

*BSとPLから算出

日本農薬の総資本経常利益率(利回り)

総資本経常利益率は低下する一方です。

流動比率

流動比率とは?

流動比率とは、短期の安全性を表す指標のひとつ。

流動比率が大きいほど、短期の安全性が高い(資金がショートしにくい)。

流動比率100%以下だと資金繰りに苦労をしている印象。

計算式

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

*BSから算出

日本農薬の流動比率

流動比率は200%以上で安定しており、短期の安全性は非常に高い。

自己資本比率

自己資本比率とは?

自己資本比率とは、長期の安全性を示す指標のひとつ。

自己資本比率が高いほど、長期の安全性が高い。

一つの指標は30%以上であること。

計算式

自己資本比率(%)=自己資本(純資産)÷総資本×100

*BSから算出

*自己資本:返さなくていいお金

日本農薬の自己資本比率

自己資本比率50%以上で、長期の安全性は安定している。

売上高対総利益率

売上高対総利益率とは?

売上高対総利益率とは、収益性を表す指標のひとつ。

売上高総利益率が高いほど、売上原価がかかってない効率的な経営といえる。

計算式

売上高総利益率(%)=売上総利益÷売上高×100

*PLから算出

売上高対営業利益率

売上高対営業利益率とは?

売上高対営業利益率とは、収益性を表す指標のひとつ。

売上高営業利益率が高いほど、人件費等がかかってない効率的な経営といえる。

計算式

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

*BSから算出

売上高対経常利益率

売上高対経常利益率とは?

売上高対経常利益率とは、収益性を表す指標のひとつ。

売上高対経常利益率が高いほど、本業以外の稼ぎがあり、良好な経営の助けとなる。

計算式

売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100

*PLから算出

日本農薬の各種利益率まとめ

従業員数の推移

400名規模で近年は従業員数を縮小している傾向。

この少ない人数で多くの事業を海外展開していることに関して、良い印象を持ちました。

労働分配率

労働分配率とは?

生産性を表す指標のひとつ。

粗利に占める人件費の割合なので労働分配率が低いほど、人件費に回せるお金がある。

すなわち、給料が上がる見込みが大きい、ということ。

計算式

労働分配率(%)=人件費÷売上総利益(粗利)×100

*PLから算出

日本農薬の労働分配率

従業員数は減少している一方で、労働分配率は上昇しています。

これについても打開策はあるかと思います。

従業員あたりの売上総利益

従業員あたりの売上総利益とは?

従業員あたりの粗利とは、生産性を表す指標のひとつ。

この値が高いほど従業員ひとりひとりの付加価値が高いことを意味する。

計算式

従業員ひとりあたりの粗利(円)=売上総利益(粗利)÷従業員数

*PLから算出

日本農薬の従業員あたりの売上総利益

一人あたりの売上総利益は、横ばいといえるでしょう。

従業員の平均年収

従業員の平均年収はFY2017から増加傾向。

FY2018は平均年収710万円超。

引用元:

日本農薬株式会社 有価証券報告書

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