医療機器業界

世界の医療検査技術を支える日本メーカー「オリンパス」

日本の医療レベルは世界的に見ても高いレベルにあります。

日本よりもアメリカが医療が進んでいるイメージがありますが、日本の医療技術の高さを卑下する必要はまったくありません。

現代の医療で重要なのは病気を未然に防ぐこと。

予防です。

予防をするためには体の免疫力を高め、定期的に精度の高い検査をする必要があります。

制度の高い検査には精度の高い技術や機器が必要です。

日本が世界に誇る検査技術を持つメーカーがあります。

それが「オリンパス(OLYMPUS)」です。

日本でオリンパスといえば、一眼レフなどのカメラが頭に思い浮かぶ人もいるかも知れません。

しかし、海外では重要な医療機器メーカーとして認知されています。

オリンパスの得意とするのはなんといっても内視鏡技術です。

医療向け消化器内視鏡の世界シェアは70%以上で圧倒的な地位を確立。

技術郵政が高く、有効特許を数多く抱えており、他社が参入する隙を与えません。

消化器内視鏡とは、胃カメラや大腸カメラのこと。

胃がん検査や大腸がん検査として、オリンパスのカメラを使った検査は非常に有効です。

細長いカメラの先には内蔵を照らすライトやポリープを削除するハサミのような機能もついています。

早期にがんのもとを発見、切除することで胃がんや大腸がんになるリスクを大きく減らすことができます。

2,3人に一人ががんで亡くなってしまう世の中で非常に心強い検査技術といえるでしょう。

日本では比較的安い価格で検査を受けることができます。

私も検査を受けたことがありますが、15,000円くらいの費用で検査を受けることができました。

15,000円くらいだったら数年に1度検査を受けて、自分の内臓の状態を写真で客観的に把握するのは非常に良い経験だと思います。

ただこのような価格で検査を受けることができるのも日本の医療制度のおかげです。

これが海外となると話は違います。

海外では国によって医療制度が異なるからです。

日本では国民健康保険に加入していれば、医療の3割負担で様々な質の高いサービスを受けることができます。

しかし、たとえばアメリカには日本の国民健康保険のような制度はありません。

もちろん民間医療保険はありますが、すべての国民をカバーするような制度はないのです。

そのため、個々人の収入によって受けられる医療サービスの質が変わってきます。

収入の低い人はなかなか満足な治療を受けられないため、軽い風邪でも悪化することがあります。

アメリカでの検査も日本の数倍の値段となるでしょう。

しかし、使っている内視鏡はオリンパスのものです。

なぜなら世界シェア70%以上という驚異的な普及率を持っているからです。

オリンパスは2011年に過去の財テク粉飾決算が発覚し、経営陣の信頼は地に落ちました。

業績も大幅に悪化し、2012年3月期いには489億円の最終赤字を形状。

リストラも行いました。

一時は会社の存続自体が危ぶまれましたが、2012年9月にソニーと資本業務提携することで危機を脱出。

コンプライアンスを徹底的に見直し、もともと持っていた強力な内視鏡技術が身を助けました。

内視鏡技術という世界有数の技術がなければ立ち直れなかったかもしれないのです。

OLYMPUSの歴史

OLYMPUSは1919年に顕微鏡や体温計のメーカーとして創業。

その後はフィルムカメラにも進出し、光学機器メーカーとしての地位を固めました。

1950年に医療分野への進出を決め、世界で初めて胃カメラの実用化に成功。

そこから大腸カメラも開発し、日本だけでなく世界の医療技術を支えてきました。

より明確できれいなカラー画像をリアルタイムに取得するために、内視鏡本体だけでなく画像処理ソフトなどにも力を入れ、トータルで医療技術をサポート。

世界の医療機関、病院とコネクションを形成することで他社の参入が厳しいほどに顧客との密接な関係を作っているのがOLYMPUSという会社の印象です。

ただし、世界シェアが高い企業には社会的な責任が大きいことも事実。

日進月歩の医療技術に終わりはありませんが、内視鏡だけでなく他にもより良い製品を夜に送り出して、より良い世の中を実現してほしいと思います。