「アンデスメロン」という名前を聞いたことがある人は多いのではないでしょうか。
実はこのメロン、株式会社「サカタのタネ」が開発した超ヒット商品なのです。
日本には優良な種子を作る会社が多数ありますが、中でも大きな存在感を放っているのが「サカタのタネ」。
メロンの他にも、ブロッコリーのタネの6割を生産しています。
日本の6割ではありません。
世界の6割です。
世界中の6割ものブロッコリーは、サカタのタネから作られているのです。
世界中で人気の高いブロッコリーは、年中需要があります。
最近ではボディメイク、筋トレに最適な野菜として注目を集めている野菜でもありますよね。
世界中で気候や土壌が大きく違うにも関わらず、世界シェア6割を取るのは非常に素晴らしいことだともいます。
また、トマトのタネにも力を入れていて、日本のトマト農家の約4割がサカタのタネから作られています。
日本の農家も信頼性の高いサカタのタネを重宝するのです。
サカタのタネは世界170カ国以上でビジネスを展開しています。
どんな国でも農作物は生きるために必須。
今後はコロナショックで都市から地方に移住することが多くなることが多くの新聞やテレビ、ネットメディアで取り上げられています。
広々とした地方の畑で何か作物を植えて、育てて、家族でおいしく食べたい。
そんな夢を持っている人は一人や二人じゃないはず。
農業はいまやハイテク化が進んでいて、機械も便利になっています。
しかし、肝心のタネがしっかりしていないと、美味しい作物はなりません。
サカタのタネのようなメーカーが日本、世界の農産業を支えているのです。
そんなサカタのタネのIRを調査してみると、かなり力強い財務体質が見えてきて、非常に重し鋳物になりました。
それでは進んでいきましょう。
注)サカタのタネの有価証券報告書によると、毎年の会計期間は、6月1日スタート、翌年5月31日〆となっています。
賃借対照表 BS: Balance Sheet
BSとは?
右側に「資産」
左側に「負債」と「純資産」
を並べたシートのこと。
左右それぞれの合計値が必ず同じになるのが特徴。
「サカタのタネ」のBS

損益計算書 PL: Profit and Loss Statement
PLとは?
一定期間(3ヶ月間、1年間等)のお金の損益をまとめたもの。
1.売上総利益(粗利)
売上総利益(粗利)=売上高-売上原価
2.営業利益
営業利益=売上総利益-人件費など
3.経常利益
経常利益=営業利益+営業外損益(株など)
4.税引前当期利益
税引前当期利益=経常利益-特別損益(事業の売却など)
5.当期利益
当期利益=税引前当期利益-法人税など
「サカタのタネ」のPL

経常利益以降のグラフを下に拡大しました。

総資本経常利益率(利回り)
総資本経常利益率(利回り)とは?
総資本経常利益率は、会社の利益効率を知る最も基本的な指標のひとつです。
自己資本と他人資本を足し合わせた総資本をベースに、会社がどの程度の利益を出したかを計算したのが、総資本経常利益率。
つまり、会社の利回りと言い換えてもいいでしょう。
利回りのいい会社のほうが、銀行にも投資家にも従業員にとってもプラスになります。
経営者はこの総資本経常利益率を上げることが重要な仕事です。
利回り(%)=経常利益÷総資本(自己資本+他人資本)×100
*BSとPLから算出
「サカタのタネ」の総資本経常利益率(利回り)

FY2016に大きく成長し、総資本経常利益率は約7%まで上昇。
以後、安定して7%弱の総資本経常利益率を維持している。
流動比率
流動比率とは?
流動比率とは、短期の安全性を表す指標のひとつ。
流動比率が大きいほど、短期の安全性が高い(資金がショートしにくい)。
流動比率100%以下だと資金繰りに苦労をしている印象。
流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100
*BSから算出
「サカタのタネ」の流動比率

流動比率は約500%以上で安定しており、短期の安全性は非常に高い。
これは流動性資産が豊富であることを示しています。
自己資本比率
自己資本比率とは?
自己資本比率とは、長期の安全性を示す指標のひとつ。
自己資本比率が高いほど、長期の安全性が高い。
一つの指標は30%以上であること。
自己資本比率(%)=自己資本(純資産)÷総資本×100
*BSから算出
*自己資本:返さなくていいお金
「サカタのタネ」の自己資本比率

2014年から自己資本比率80%以上で、長期の安全性は非常に安定している。
売上高対総利益率
売上高対総利益率とは?
売上高対総利益率とは、収益性を表す指標のひとつ。
売上高総利益率が高いほど、売上原価がかかってない効率的な経営といえる。
売上高総利益率(%)=売上総利益÷売上高×100
*PLから算出
売上高対営業利益率
売上高対営業利益率とは?
売上高対営業利益率とは、収益性を表す指標のひとつ。
売上高営業利益率が高いほど、人件費等がかかってない効率的な経営といえる。
流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100
*BSから算出
売上高対経常利益率
売上高対経常利益率とは?
売上高対経常利益率とは、収益性を表す指標のひとつ。
売上高対経常利益率が高いほど、本業以外の稼ぎがあり、良好な経営の助けとなる。
売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100
*PLから算出
「サカタのタネ」の各種利益率まとめ

従業員数の推移(グループ全体)

2014年は約2000人。
その後業績とともに人員も増加。
やっぱり成長している会社に人は集まります。
直近のFY2019では2500人に迫る勢いです。
コロナショックにもしっかりと雇用を確保してもらいたいですね。
労働分配率
労働分配率とは?
生産性を表す指標のひとつ。
粗利に占める人件費の割合なので労働分配率が低いほど、人件費に回せるお金がある。
すなわち、給料が上がる見込みが大きい、ということ。
労働分配率(%)=人件費÷売上総利益(粗利)×100
*PLから算出
「サカタのタネ」の労働分配率

従業員あたりの売上総利益
従業員あたりの売上総利益とは?
従業員あたりの粗利とは、生産性を表す指標のひとつ。
この値が高いほど従業員ひとりひとりの付加価値が高いことを意味する。
従業員ひとりあたりの粗利(円)=売上総利益(粗利)÷従業員数
*PLから算出
「サカタのタネ」の従業員あたりの売上総利益

従業員の平均年収

従業員の平均年収はFY2016から増加傾向ですが、2018年を堺に給与の伸び率はすこし鈍い印象です。
しかし、右肩上がりであることは変わらず、社員のモチベーションは高く保てていると考えます。
FY2019は平均年収630万円超。
引用元:
株式会社サカタのタネ 有価証券報告書