保護具

医療用マスク不足が深刻な今、注目を集める農薬散布用マスクメーカー 重松製作所

世界的に医療用マスク不足が深刻な今、代替品として農薬散布用マスクが着目されています。

農薬散布用マスクは非常に高性能で、現在は一部の医療機関でも使用されているとのこと。

ただし、農業を営む農家にも農薬散布用マスクは必須のものです。

いまは全国各地のJAで少しずつ農薬散布用マスクの在庫が少なくなっており、各地の農家が不安を抱えています。

下記は本日の参考文献です。

農薬散布用マスク品薄

「医療へ」理解も作業時は「不安」

引用元:日本農業新聞 2020/5/3 1面

農薬散布用マスクは、粉状や液状の農薬をまいたあと、”使い捨て”するのが基本。

つまり消耗品です。

何回も使い回すことはできません。

殺虫作用のある有害な農薬をフィルターで濾過する農薬散布用マスクは非常に性能が高いです。

世界各地でマスクを製造・販売する3M社(アメリカ)は「医療用マスクが不足するなか、緊急的に医療現場に農薬散布用マスクを供給している」とのこと。

生産量を上げているが、依然として医療現場ですらマスクが逼迫しているのが現状です。

つまり、世界規模で農薬散布用マスク不足が迫ってきている状況です。

我々が日々おいしい食材を食べることができるのも農薬の使用があってこそ、という背景があります。

農家の皆さんの不安は、やがて消費者の不安につながっていく可能性も十分あります。

しかし、こうした状況だからこそ、農薬散布用マスクメーカーに対するさらなるマスク供給を期待したいです。

今回は、農薬散布用マスクメーカーの一つ、株式会社 重松製作所(東京都北区)に着目し、事業内容と財務状況を調査してみました。

重松製作所の事業内容

重松製作所は、1917年に創業され、100年以上の歴史を持つ会社です。

現在の主な事業内容は、働く人達を職業病から守るための防じんマスク、防毒マスク、送気マスク等の呼吸用保護具を中心とする各種労働安全衛生保護具の製造販売、と有価証券報告書には記載されています。

本社:東京都

製造拠点:国内2拠点

営業所:全国13拠点

従業員数:365名

東京証券取引所JASDAQ(スタンダード)上場

賃借対照表 BS: Balance Sheet

BSとは?

右側に「資産」

左側に「負債」と「純資産」

を並べたシートのこと。

左右それぞれの合計値が必ず同じになるのが特徴。

重松製作所のBS(FY2017, 2018)

FY2017.2018の有価証券報告書から、重松製作所は約120億円の資産を保有していることがわかります。

FY2017→FY2018にかけて資産の大きな変動はなし。

流動比率、自己資本比率については後述します。

損益計算書 PL: Profit and Loss Statement

PLとは?

一定期間(3ヶ月間、1年間等)のお金の損益をまとめたもの。

着目すべき5つの利益

1.売上総利益(粗利)

売上総利益(粗利)=売上高-売上原価

2.営業利益

営業利益=売上総利益-人件費など

3.経常利益

経常利益=営業利益+営業外損益(株など)

4.税引前当期利益

税引前当期利益=経常利益-特別損益(事業の売却など)

5.当期利益

当期利益=税引前当期利益-法人税など

重松製作所のPL(FY2017, 2018)

売上高が100億円以上あります。

ただし、営業利益で9000千万円と大きな差があります。

これについても後述します。

総資本経常利益率(利回り)

総資本経常利益率(利回り)とは?

総資本経常利益率は、会社の利益効率を知る最も基本的な指標のひとつです。

自己資本と他人資本を足し合わせた総資本をベースに、会社がどの程度の利益を出したかを計算したのが、総資本経常利益率。

つまり、会社の利回りと言い換えてもいいでしょう。

利回りのいい会社のほうが、銀行にも投資家にも従業員にとってもプラスになります。

経営者はこの総資本経常利益率を上げることが重要な仕事です。

計算式

利回り(%)=経常利益÷総資本(自己資本+他人資本)×100

*BSとPLから算出

重松製作所の総資本経常利益率(FY2017, 2018)

重松製作所の総資本経常利益率は1.0%以下と算出されました。

流動比率

流動比率とは?

流動比率とは、短期の安全性を表す指標のひとつ。

流動比率が大きいほど、短期の安全性が高い(資金がショートしにくい)。

計算式

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

*BSから算出

重松製作所の流動比率(FY2017, 2018)

流動比率は100%以上で、短期の安定感あり、といえます。

自己資本比率

自己資本比率とは?

自己資本比率とは、長期の安全性を示す指標のひとつ。

自己資本比率が高いほど、長期の安全性が高い。

計算式

自己資本比率(%)=自己資本(純資産)÷総資本×100

*BSから算出

*自己資本:返さなくていいお金

重松製作所の自己資本比率(FY2017, 2018)

自己資本比率も30%を超えており、長期の安定性も良いです。

売上高対総利益率

売上高対総利益率とは?

売上高対総利益率とは、収益性を表す指標のひとつ。

売上高総利益率が高いほど、売上原価がかかってない効率的な経営といえる。

計算式

売上高総利益率(%)=売上総利益÷売上高×100

*PLから算出

*目安:21.5%

売上高対営業利益率

売上高対営業利益率とは?

売上高対営業利益率とは、収益性を表す指標のひとつ。

売上高営業利益率が高いほど、人件費等がかかってない効率的な経営といえる。

計算式

流動比率(%)=流動資産÷流動負債×100

*BSから算出

売上高対経常利益率

売上高対経常利益率とは?

売上高対経常利益率とは、収益性を表す指標のひとつ。

売上高対経常利益率が高いほど、本業以外の稼ぎがあり、良好な経営の助けとなる。

計算式

売上高経常利益率(%)=経常利益÷売上高×100

*PLから算出

*目安:3.4%

重松製作所の各種利益率まとめ(FY2017, 2018)

こうして横に並べてみると、売上高総利益率が25%以上と非常に良いのがわかります。

一方で、売上高営業利益率がガクンと落ちている。

つまり、経費や管理費、人件費等に多くのお金が流れており、なかなか内部留保まで回らないのではないか、という推測が立ちます。

労働分配率

労働分配率とは?

生産性を表す指標のひとつ。

粗利に占める人件費の割合なので労働分配率が低いほど、人件費に回せるお金がある。

すなわち、給料が上がる見込みが大きい、ということ。

計算式

労働分配率(%)=人件費÷売上総利益(粗利)×100

*PLから算出

重松製作所の労働分配率(FY2017, 2018)

上記の労働分配率から、すでに人経費は管理費が粗利に占める割合は非常に高い、と言えると思います。

従業員あたりの粗利

従業員あたりの粗利とは?

従業員あたりの粗利とは、生産性を表す指標のひとつ。

この値が高いほど従業員ひとりひとりの付加価値が高いことを意味する。

計算式

従業員ひとりあたりの粗利(円)=売上総利益(粗利)÷従業員数

*PLから算出

重松製作所の従業員あたりの総利益(FY2017, 2018)

引用元:

・株式会社 重松製作所 有価証券報告書 2019年6月28日提出分

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